第二回 香川県・伊吹島 いりこ
風土と人が育んできた
伊吹島のいりこづくり

香川県沖・燧灘(ひうちなだ)に浮かぶ伊吹島。ここは、カマダの『いりこだし酢』に使用している、濃厚で風味豊かな「伊吹いりこ」の産地です。いりことは、カタクチイワシの煮干しのこと。島では古くからカタクチイワシの漁が営まれてきました。伊吹島の周囲は水深が浅く、反時計回りにゆるやかな潮が巡っています。そのため、海底に堆積した火山灰が豊かなプランクトンを育み、魚が集まる環境をつくり出しています。
現在、漁の網元は15軒。それぞれが漁獲から加工までを一貫して担い、獲れた魚を島内ですぐに加工する体制が整えられています。品質管理を徹底できるこの仕組みと、自然環境、そして島で暮らす人々の温かな営みがいりこの品質を支えています。
漁獲から30分
鮮度の良さがすべてを決める
漁から加工までの時間の短さが、いりこの味を大きく左右します。伊吹島周辺で獲れたカタクチイワシは、すぐに高速運搬船で運ばれ、30分以内に煮沸されます。また、網の巻き上げの最終段階を人力で行い、魚体を傷つけず鱗が落ちないよう配慮することも、鮮度と品質を守るために欠かせません。
水揚げされたカタクチイワシは、島内の加工場(イリバ)ですばやく処理をされ、いりこへと姿を変えていきます。伊吹島をはじめ、西日本では煮て乾かす「煎干(いりぼし)」に由来するこの名称が古くから使われてきました。



製造方法については、最初にカタクチイワシを選別・洗浄。その後、食塩を加えた海水で煮沸します。この工程を行うことで、旨み成分をカタクチイワシの中にとどめることができます。煮上がった後は、水分がなくなるまで、15〜20時間かけてしっかり乾燥。こうして手間を惜しまず仕上げられたいりこは「伊吹いりこ」として伊吹漁業協同組合の煮干集出荷場で入札にかけられ、全国へ出荷されます。
「伊吹いりこ」には、大羽(おおば)・中羽(ちゅうば)・小羽(こば)・カエリといった銘柄があり、漁獲時期や大きさによって使い分けられています。伊吹島ではだしを取るだけでなく、そのまま丸ごと食べたり、米と一緒に炊き込んだいりこ飯や佃煮、天ぷらなどいろいろな料理に使われています。





讃岐には地産地消が息づいている
讃岐うどんのおいしさは、だしがあってこそ。そのだしに欠かせないのがいりこです。地場で生産される小麦や醤油、塩とともに、身近な素材を生かしながら磨かれてきた味わいは、今日の讃岐うどんという食文化を育んできました。
「島全体が温かく、みんな家族のよう。純漁村の暮らしの中で培われてきた営みを記録し、次の世代へ伝えていきたい」と話す伊吹島ガイド・三好さんの言葉からは、島とともに生きてきた人ならではの想いが感じられました。
カマダの『いりこだし酢』には、そうした讃岐の精神や人々の想いを受け継ぐ「伊吹いりこ」のだしが生かされています。

