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SOMATAKA 嶋﨑 絵里さん

高知に根付く「土佐打刃物」を多くの方に知ってほしい。

「土佐打刃物の包丁は、祖母と母が使っていて幼い頃からなじみ深かった」という嶋﨑絵里さん。しかし、高知県から一歩外に出ると、その包丁のことは誰も知らない現状があったといいます。

土佐打刃物の魅力は、永く使える品質の高さだけではなく、地域が培ってきた※1野鍛冶の伝統と文化にもあります。400年以上受け継がれてきた技術を活かしつつ、今の暮らしにマッチしたデザイン性のある包丁を作りたいと思い、嶋﨑さんは一念発起。地元に戻り、土佐打刃物と暮らしを楽しくする道具を企画・販売する「 ※2SOMATAKA」を立ち上げ、職人さんたちとともにこれまでにない新たな商品開発が始まりました。

※1農具や山林刃物などを手掛ける鍛冶屋
※2「杣人」(そまびと:木こり)と「耕す」(古語で田を返す)を合わせた造語

鍛冶職人が丹精込めて手打ちする『能がえぇ』包丁。

古くから斧やナタなど山の道具として発展してきた土佐打刃物は、使う場所や用途によって刃物の形状が違うため、決まった型を用いない自由鍛造であること、鍛冶職人が鍛造から研ぎ、刃付けまでを一貫生産することが基本です。そのため大量生産はできませんが、丈夫で長持ち、切れ味も抜群です。

「使いやすいことを高知弁で『能がえぇ』と言うんですよ。職人さんたちが一本一本丹精込めて作ってくれているので、道具に愛着を持って使ってもらえるとうれしいですね」と嶋﨑さん。SOMATAKAの包丁は、軽くて丈夫なだけでなく、手にやさしくなじみ、シンプルで温かみのあるデザインも魅力です。お客様からも「こんな包丁が欲しかったの」という声が多く寄せられています。

そんな嶋﨑さんにとっての「暮らしを慈しむ」とは?

「無理のない範囲で、ちょっとしたひと手間を大切にすることです。それと、自分や周りの人たちを思うのと同じように、料理を口にするときも道具に触れるときも、それを作った人を思うことが慈しみだと感じています」

SOMATAKA代表

嶋﨑 絵里さん

高知県香美市土佐山田町出身。東京で外資系保険会社などを経て、2020年に高知県に帰郷。地域に根付く伝統工芸品の魅力を発信するため、土佐打刃物の商品企画・販売を手掛けている。

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