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鎌田醤油に春を告げる 桜の便り

機械化が進んでも、やっぱり醤油は生き物です。
大切にしてやらねば、こじれてしまいます。

鎌田醤油に春を告げる 桜の便り

気候の温暖な香川県では、例年3月も中旬になると花の便りが聞こえてきます。香川の桜の名所といえば栗林公園や丸亀城が有名ですが、鎌田醤油に隣接する公園『香風園』や周辺の桜も、ささやかながら私たちに春の訪れを感じさせてくれます。この香風園、元は当社創業家の別邸でしたが、昭和30年に坂出市に買い取られ、美しい日本庭園や趣きのある建物が、広く市民に開放されるようになりました。

そしてもうひとつ、春の楽しみといえば、お花見。醤油造りは息の合った緊密な関係が大切です。鎌田醤油では新入社員の歓迎も兼ね、盛大にお花見を開くのが恒例。満開の桜の木の下、おおいに飲み、おおいに笑い、親睦を深めています。

だし醤油誕生から半世紀 次の目標は世界で愛されること

鎌田醤油の代名詞とも言えるだし醤油は、日頃からコミュニケーションが活発な社風の賜物とも言える商品です。当社で働く女性が何気なく口にした「うどんだしを使うと短時間で美味しい煮物が作れ、忙しい主婦には便利」という言葉。折しも、厚生省・医学会から醤油業界へ塩分の低減化を要請されていたこともあり、当社独自に、醤油より低塩分で作れるだしの風味を利かせためんつゆの開発に取り組みました。

当初は、醤油に旨み調味料を加えためんつゆを作っていましたが、風味が一番と考え、四国・高知からかつお節、香川から伊吹島のいりこに加え、利尻の昆布、屋久島のさば節を採用。2年をかけ、だしの風味が濃厚な旨みの強い、かけても、うすめて煮物やうどんだしにも使える便利なだし入り醤油「だし醤油」を完成させました。

1965年の発売以来、基本のレシピはそのままに、半世紀以上に渡って愛されているだし醤油は、私たちとお客様を結ぶ絆とも言うべき大切な商品。厳格な品質管理で商品の繊細な味を守る技術部門責任者の田中雅章は、通信販売の伸びとともにだし醤油と鎌田醤油が業界でも認められる存在になったことが嬉しいと語ります。
田中には、先代社長に言われた忘れられない言葉があります。『物事を見る時には、近くと遠く、2つの視点を持つことが大切だ』。伝統を守りながら、海外でも通用する商品を創り出すのが田中の次の目標です。もちろんその想いは、私たち鎌田醤油社員全員の想い。世界中のどこでも、私たちの商品を喜んで使っていただけるよう、これからも安全で良質な商品をお届けして参ります。