暮らしを慈しむ 竹細工作家 橋本千菜美さん 日本人の暮らしに即した竹細工の道に。 橋本さんの仕事は、一本の竹ひごを作るところから始まる。竹ひごは使う用途によって幅や厚さが変わり、竹細工の世界では「ひご取り三年」と言われるほど重要な作業なのだとか。 「ひごを作るのが8割、編むのが2割。作業のほとんどがひご作りで、気がついたら3、4時間経っていることもあります」 橋本さんは、高校、大学と彫刻を学び、大学卒業を機に竹細工の道に進まれたそうです。 「竹は触れてみて一番しっくりくる素材でした。ひご状にすることでどんな形にもなり、暮らしに即した物を作りたいという想いにも合いました」 竹の張りをいかした美しい形状にこだわり。 編み方や作り方は、ほぼ決まっているという竹の工芸品ですが、橋本さんは竹のバネをいかして、丸み、フォルム、全体のバランスをきれいに見せることにこだわっていると言います。 「形の美しさは、暮らしに豊かさを与えてくれると思います。使っている人に気付かれなくても、心地よい暮らしの一部であるようにと願っています」 また、竹細工はプラスチックやステンレスと違い、修理できるのも魅力とのこと。 「竹は繊細なものと思われて大切に飾っておられる方も多いのですが、昔は修理しながら使うのが当たり前でした。どうぞ道具として大胆に使ってください。修理も承ります」とにっこり。 橋本さんにとって『暮らしを慈しむ』とは?との質問には、 「自分にとって何が大切かわかること。そして、それを受け止められるよう、心も体も健康に整えて暮らすことだと思います」と話してくださいました。 竹細工作家 橋本千菜美さん 京都市立銅駝美術工芸高校 彫刻科卒 筑波大学芸術専門学群 彫塑コース卒 笠間いわま竹細工工房をはじめ、茨城・千葉の竹細工職人より青竹のかご作りを学ぶ。 現在、茨城県つくば市北条の自宅兼工房にて制作中。 橋本さんの作品は完売いたしました。 中野うどん学校 清水屋