まえかけ作家 坂田 真由美さん
先入観を持たずにカタチにした、自由なデザイン
カラフルで軽やか、丈夫で使いやすいと全国から注目を集めるyumizuのまえかけ。「子育ての合間に、とある料理本を読んでいました。そこにはレシピだけでなく、たくさんのエプロンが登場していて『私だったらこんな風に作るんやけどなぁ』と思い、何気なく作ってみたのが最初でした」
そう話すのは、yumizuを主宰する坂田真由美さん。幼い頃から美術に造詣の深かった坂田さんですが、裁縫は全くの素人。独学で始めたまえかけ作りでしたが、カフェや雑貨店の知り合いに披露したところ、その仕上がりとデザインセンスから瞬く間に評判が広まり、思いがけず販売することになりました。
「裁縫の経験がなかったことが良かったのかもしれません。その道のプロからすると邪道と言われるのかもしれませんが、生地の合わせ方や縫い方などの先入観を持たず、自由にデザインできていることが魅力になっていると思っています」
まえかけは「暮らしのスイッチ」
坂田さんは、使いやすくて気分が上がるデザインを心がけています。
「yumizuのまえかけは、身につけることで家事や仕事モード、外したらオフモードというように、気持ちを切り替えられるスイッチのような存在でありたい。その思いからこだわったのがシルエットや配色です」
長く使ってもらうためのひと手間
傷みやすいふちは生地を三つ折りにして「かっちり」と仕上げたり、分厚くなりがちな角の処理にひと手間かけて「軽快さ」を追求するなど、細部に工夫が凝らされています。「『まえかけが届くまでのワクワクした時間も、私の楽しみです』とお客様からお手紙をいただきました」そんな言葉や人との出会いが、心の励みになっています。
坂田さんにとっての「暮らしを慈しむ」とは?
「例えば、料理に合わせて器を選ぶ、贈り物に一筆添える、遠回りでも好きな道を行くなど、忙しい中でもひと手間をかけることですね」
まえかけ作家
坂田 真由美さん
大阪府生まれ。大学でドイツ芸術を学んだ後、大手印刷会社のアートディレクターとして手腕を発揮。結婚・出産を経て、1997年から独学でまえかけの制作を開始し、現在に至る。