暮らしを慈しむ 九谷焼作家 今村公恵さん 伝統の色彩を守りながら個性を発揮。 心がはずむような明るさと可愛さにあふれた絵柄。九谷焼作家・今村公恵さんの器は、一見とてもカラフルで現代的な印象ですが、作品は基本的に九谷の伝統色である緑・黄・紫・紺青・赤の「五彩」のみで描かれています。 「今はパステルカラーなどを使った九谷焼もありますが、私は五彩から逸脱せずにどれだけの表現ができるかを追求しています。その上で形や絵柄を工夫し、現代の暮らしにあった軽やかさを出したい。青海波などの伝統文様にもアレンジを加え、『これは私のもの』と言える個性のある絵柄を生み出したいと思っています」 器の形にもこだわり。ウキウキする作品を。 近年は成型された器の生地を購入して絵付けのみ行う作家も多いそうですが、今村さんは自身でろくろを回し、器の形を作るところから行っています。形にも絵柄にもこだわりが詰まった作品ですが、使う方には自由に楽しんでいただければいいと話されます。 「私自身、器が好きで、お気に入りの器を使うときは豆皿ひとつでもウキウキします。私の作品を使う方にも、そんな気持ちになっていただけたら嬉しいです」 最後に今村さんにとって『暮らしを慈しむ』とは?と、伺ってみました。 「些細なところにも、好きなものを選ぶことですね。贅沢をするということではなく、例えば鉛筆1本でも大切に選んで、大切に使う。自分の気分の良くなるものを使っていると、心が豊かになるように思います」 今後は、オブジェなど空間を演出する作品も手掛けたいという今村さん。新たな魅力を届けてくださる日を楽しみにしています。 九谷焼作家 今村公恵さん 1995年 金城短期大学 陶芸コース卒業 1998年 石川県九谷焼技術研修所 専門コース修了 九谷焼製造卸会社での勤務を経て、2000年独立。 現在は金沢市内の自宅近くにアトリエを構え、家族との暮らしも大切にしながら作陶活動を行っている。 今村さんの作品は完売いたしました。 清水屋 白方漁業協同組合